Mikrofotografie japanisch - page 1

顕微鏡写真
驚きの連続の表現
ヴィン/祐子・ラブダによる顕微鏡写真をめぐる考察と歴史
ヴィン・ラブダ(在リューベック)
2010年は「顕微鏡写真の年」とでも呼ぶべき年となった。
現在ベルリン・ツォー駅近くの国立写真美術館では大規模な顕微鏡写
真展が開催中である。非常に注目されている同展で、1970年以降活動
しており、ドイツ顕微鏡写真界の最長老であるマンフレート・カーゲの生
誕75周年を記念する特別展も大きく取り上げられおり、美術館での展示
と並行して、やはりベルリンにあるアルフレート・エアハルト財団の小規模
ながら洗練された会場でも、カーゲ回顧展が開かれている。
こめられた情報の稠密さ、選び抜かれた作品の質の高さ、比類ない展示
方法という意味で、「顕微鏡写真-可視の世界のかなたにある美」展を上
回る展覧会は、顕微鏡写真の全分野を通じてこの先長く現れないであ
ろう。
このことは、この展覧会についてのルートガー・デーレンタール/クリス
ティアーネ・シュタール共著の貴重な展覧会カタログについても言える。
二人が細心の注意を払い、愛情をこめて巧みにまとめたこのカタログ
は、発行直後から顕微鏡写真界の憧憬の的となった。D r.クリスティアー
ネ・シュタールの文章もさることながら、特にD r.ルートガー・デーレン
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「顕微鏡写真-可視の世界の
かなたにある美」展を訪れた
祐子&ヴィン・ラブダ
2010年09月30日撮影
2.ツァイス社のU ltraphotⅢを扱う
ラブダ祐子
1993
年撮影
タールの非常に優れた文章によって、カタログの文学的要素は視覚的
な要素に実によく調和し、言語の貧困を嘆くことの多くなった現代にあっ
て、言語を操る技法に精通した者のみが、高い水準の芸術批評や芸術
解説をする事が出来、言葉を使って芸術を理解させることが可能である
という事を改めて私たちに示したのである。
またこの貴重なカタログにラブダ祐子の顕微鏡写真が載っているのを見
つけ、私たちは喜びもし、誇りにも思った。ルートガー・デーレンタール、
また特にクリスティアーネ・シュタールには、ラブダ祐子に作品を発表す
る機会を与えて下さり、またいろいろな助言をいただいた事に感謝した
い。また、顕微鏡写真家、写真家であり記録映画の監督でもあったアル
フレート・エアハルト(1901-1984)のご子息で、ご尊父の仕事を財団とい
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